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・筋トレにレップ数は関係ない!?
・レップ数よりも筋緊張時間(TUT)が重要
・目的に応じて筋緊張時間を使い分けよう
今回はトレーニングの際のレップ数についての記事です。
レップ数って何?という方のために説明しておくと、トレーニングの回数のことです。例えば腕立て伏せを10回やったなら10レップの腕立て伏せという言い方をします。
今回はこのレップ数について興味深い記事を紹介しつつ、レップ数に代わる重要な要素「筋緊張時間」を説明したいと思います。
参考記事
レップ数はそんなに重要じゃない?
今までは10レップ前後が筋肥大(筋肉の成長)に最も適していると言われていたのですが、実際そうじゃなくね?ってことがよく言われています。
考えてもみてください。さっさと単調にやる10レップとネガティブを効かせてしっかりゆっくりと行う10レップも同じ10レップとして扱われるんですよ!そんなのおかしくないですか!
また、同じ10レップにしてもスクワットの10レップとカーフレイズの10レップではだいぶ状況が違う気がします。
同じ10レップでもその中身を気にして比較すべきです!
例えば
トレーニーAは2秒で下げて1秒で挙げるとする。重量は300ポンド。
トレーニーBは5秒で下げて2秒で下ろすとする。重量は240ポンド。
トレーニーAはストレングス系が強化され、トレーニーBはより筋肥大にその効果が表れるだろう。
筋緊張時間(TUT)という新たな指標
そこでレップ数に代わって重要になる指標が筋緊張時間(TUT:Time Under Tension)です。これは文字通り筋肉が緊張している時間を示すので、筋肉に負荷が乗っている時間を表します。すなわち、ほとんど1セットにかかる時間と考えても良いでしょう。例えばスクワット10レップするのに40秒かかったらそのTUTは40秒です。
長いTUTはより多くの筋繊維を疲労させたり、乳酸の分泌を促したりして、様々な成長要素が働きます。例えば、乳酸はフォリスタチンという物質の分泌を促しますが、これはミオスタチンを抑制し、最強のアナボリックホルモンであるIGF-1の分泌を促します。また、多くの筋繊維が導入されるということはより成長するということです。トレーニングに使われていない筋繊維はトレーニングされていないのと同じです。
しかし、TUTは長ければ長いほどよいというわけでもありませんよね?長すぎるTUTは負荷を下げることに繋がってしまい本末転倒です。そこでベストなTUTは40-70秒と言われています。
以下にそれぞれのTUTで得られる効果についてまとめます。
10秒以下=最高レベルのストレングス系の強化とそれに伴う筋肥大
10-20秒=高いストレングス系の強化とある程度の筋肥大
20-30秒=ストレングス系と筋肥大が半々くらい
30-40秒=高い筋肥大効果とある程度のストレングス系の強化
40-70秒=最も高い筋肥大効果とそれに伴いストレングス系の強化
70秒以上=ある程度の筋肥大と最小レベルのストレングス系の強化
あとは自分が狙う効果に従ってTUTを決めましょう。TUTが長すぎてトレーニングできない(先に力尽きる場合)は重量を減らしたり、動作のテンポを変えたりして調整しましょう。コンセントリック動作、エキセントリック動作、アイソメトリック動作などを使い分けるのがポイントです。
※重りを持ち上げるのがコンセントリック動作。下ろすのがエキセントリック動作です。ネガティブを効かせるというのは重りをコントロールしてゆっくり下ろすことでエキセントリック動作をゆっくりやることになります。アイソメトリック動作というのは重りを静止させた状態。いわゆるポーズです。
40-30-5メソッド
この記事を書いたコーチが提案するトレーニング方法です。40秒のトレーニング、30秒のインターバルを5セット行うというものです。
自分のマックスの60~65%の重量を選択し5セットのトレーニングを行います。最初の1セットは割と簡単にできるでしょう。しかし、インターバルが30秒しかないのでセットが進むにつれて40秒のTUTを確保するのが難しくなってきます。そこでコンセントリック動作、エキセントリック動作をゆっくりしたり、時にはポーズを用いたりしてとにかく40秒持ちこたえさせます。
乳酸の分泌を促し、5セット行うことですべての筋繊維が導入されるので今までに感じたことのないパンプをお約束します。筋肥大効果も間違いないでしょう。ただ大きなトレーニング(スクワット、ベンチプレス、デッドリフトなど)には使用しないでください。フォームが崩れる可能性大なので怪我の元になります。
おまけ:トレーニングのテンポを表す4桁の数字
アメリカのトレーニングサイト(翻訳でも)を見ていると4桁の数字が出てくることがあります。これはトレーニングのテンポを示した数字で各桁に意味があります。
1桁目:エキセントリック動作(重りを下ろす動作)の時間。
2桁目:エキセントリック動作からコンセントリック動作に切り返す際の時間。ここが0なら重りを下ろしてすぐさま上げることを示し、1なら1秒間ポーズを入れることを表す。
3桁目:コンセントリック動作(重りを持ち上げる動作)の時間。
4桁目:ピークポジションでポーズを入れる時間。
わかり辛いためバーベルカールで考えてみましょう。ここでは4011のバーベルカールを考えます。
まず4秒かけてゆっくりとバーベルを下ろします。その後2桁目が0なのですぐさま下げたバーベルを1秒(3桁目の数字)かけて上まで持ち上げます。最後にピークポジション(持ち上げた状態)で1秒間(4桁目の数字)静止です。
ここで4011のバーベルカール1レップには4+0+1+1=6秒かかることがわかり、4011のバーベルカール10レップなら6×10=60秒かかることがわかります。
今回はレップ数にかわる指標として筋緊張時間(TUT)を考え、それに伴う最適なトレーニング方法40-30-5メソッドを紹介しました。以前にもレップ数は関係なく60秒前後が筋肥大には最適だとする記事を読んだことがありましたが、今回の説明で腑に落ちた気がします。また、筋肉に重りが乗っている時間が重要なので筋肥大を目指すならとにかく40秒間セットを終わらせないことが重要です。
ここまで読んでいただきありがとうこざいました。