EAAインフルエンサーとその信者に感じる不信感について

  • 2020年2月14日
  • 2023年4月15日
  • 自論
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最初に強調しておきますが、私はEAAを否定していません。EAAは素晴らしいサプリメントです。しかし、それを取り囲むEAAビジネスやEAAインフルエンサーともいえる人たちに疑問を感じています。

 

某筋肉先生が先か、某k西先生が先か?EAAが変な方向に向かっています。

私はEAAは悪いサプリメントだとは思いません。しかし、EAAを取り囲むEAA信者やEAAインフルエンサーともいえる人たちがとにかく気持ち悪い!

しかも、言っている内容も適当なこじつけばかり。

この記事は私のEAAに対する立場を明確にしておくためのメモでもあり、EAAのあり方に疑問を呈する内容でもあります。

また、この点も勘違いしてほしくないのですが、EAAを使って金儲けすることは全く悪いことだとは思いません。しかし、その方針や考え方に矛盾や不可解な点が多すぎるのです。

ここがおかしいEAAビジネス

なぜここ最近で急に騒ぎ出した?

まずEAA界隈に不信感を感じるのはこの点です。

私が記憶している限りEAAというサプリメントは数年前から市場には出回ってました。しかし、小西先生や水野先生、はたまた藤川先生までもがここ最近で急にEAAをゴリ推しし始めています。ここが不思議です。あのような医療従事者(なかにはそう呼んでいいか怪しい人もいますが)は常に最新動向に注視し、良いサプリメントであれば積極的に導入するはずです。特にこの界隈が属する”分子栄養学”や”三石理論”といった界隈はサプリメントの導入には積極的なはず。自然の物を優先して、体を元気にしましょう!みたいな時代遅れな分野ではないことは重々承知しています。

※私はサプリメントを多用したメガビタミンや分子栄養学の考え方には大賛成です。

でも、なぜこんなに急に騒ぎ始めたのでしょう?

特に小西先生などは以前の著書でプロテインの重要性を再三訴えられていたはずです。痩せたいなら糖質制限+高タンパク(プロテイン)ですよ、と。でも、いまはなぜかプロテインバッシングが始まっています。プロテインは太るとまでも仰っられています。まずはこのダブルスタンダードを撤回しないと説得力がないです。

EAAの効果はプロテインの4倍?

界隈ではEAAはプロテインの4倍の効果を持つらしいです。

理由は簡単。プロテイン100gにはだいたい50gの必須アミノ酸と50gの非必須アミノ酸が含まれています。その点EAAはすべて必須アミノ酸なので効果は2倍。

マイプロテイン 必須アミノ酸
マイプロテインのアミノ酸プロファイル。必須アミノ酸が100g中47.2g含有。

さらに消化吸収がプロテインより早いのでさらに2倍で4倍だそうです。なんとガバガバな理論(笑)。

そもそもEAAとプロテインを同一軸上で比較することが間違っています。これを理解するためには必須アミノ酸と非必須アミノ酸を理解する必要があります。

必須アミノ酸とは体内で合成できないアミノ酸。逆に非必須アミノ酸とは体内で合成できるアミノ酸です。さて、合成とはどうやるかという点ですが、これは筋肉を分解したり、必須アミノ酸を分解したりして再合成します。つまり、非必須アミノ酸とは”非必須”という名前が付いてますが、決して不必要という意味ではないのです。不必要であればわざわざ再合成しないでしょう。むしろ、再合成の働きが備わっているからこそ、体は非必須アミノ酸を欲しているのかもしれません。

非必須アミノ酸という呼称は誤解を与えやすいのですが、私たちの生命活動にとってむしろ必須であるからこそ、体内での合成能力が進化の過程で保存されたものとも考えられます。

アミノ酸大百科|味の素 より

さて、話を元に戻します。EAAとプロテインを比較すること自体が間違っているという内容でしたね。

プロテインをカレーライスに例えましょう。ルーの部分が必須アミノ酸でお米が非必須アミノ酸とします。ちょうど50%ずつですね。

さて、EAAはすべてが必須アミノ酸なのでルーの量が2倍になります。つまり、お皿一杯にルーだけ入った形です。これでルーが2倍だからカレーライスは2倍!と言えるでしょうか?私はこんなイメージを持ってしまいます。

しかも非必須アミノ酸はどうせ体の中で必要なのです。必須アミノ酸(カレーのルー)から非必須アミノ酸(ライス)が再合成できることからすると、どうやら体の中ではカレーのルーとライスに物々交換しているようです。これで両方のアミノ酸がそろいます。そんなめんどくさいことせずに、初めから両方摂ったらいいやん!と思うのは私だけでしょうか?

この写真のようなカレーライスを想像してほしい。ルーの部分が必須アミノ酸、お米が非必須アミノ酸としよう。ルーが2倍になったからと言ってカレーライスが2倍!と言えるだろうか?

EAAで不調になる?→EAA版”me too”現象へ

私は前々から危惧していたこと、というか疑問に思っていたことですが、EAAだけで人間は満たされるのでしょうか?

そもそもEAAには必須アミノ酸しか入っていません。しかし、人間には非必須アミノ酸も必要です。だからEAAを多量摂取した場合、体内の有り余る必須アミノ酸を分解して非必須アミノ酸を再合成するということは先に書いた通りです。

しかし、わざわざ高価な必須アミノ酸を摂ったのに体内で非必須アミノ酸に再合成されるのですからなんともったいないことか。しかも、これはどう考えても人間数万年の歴史の中で不自然な現象で、必須アミノ酸から非必須アミノ酸が合成できるとは言え自然な流れではないはずです。体に負担がかかるのでは?と考えていました。

実際、つい先日あるEAAインフルエンサーが「EAAだけでは不調になるからビタミンB6」を追加するようにという内容のツイートをしたようです。(ビタミンB6は非必須アミノ酸を合成する際に補酵素として必要となるものです)。

すると、ビタミンB6はまたたくまに売れ、iHerbではビタミンB6が品薄状態になっていました。

 

おもしろいのはここから。

「EAAで調子が良くなる」とたびたび発言していたEAA信者たちが「実は私もEAAで体調不良が…」と続けざまにツイートをはいじめたのです。まさに「EAA版me too現象」!。(個人のプライバシーを守るためにわざわざツイートを引用するようなことはしませんが、Twitterで「EAA 不調」などと検索すると面白いようにヒットします)

しかも、体調不良があったにもかかわらずあまり気が付かない程度であり「EAAは良い!」と発言したいたのならEAAによるポジティブな効果自体はプラセボだったのでは?と思ってしまいます。

引き算の考え方が抜けている→サプリメント地獄へ

この界隈ではEAAで不調を感じたと推測されるのであれば、EAAを減量するという簡単なことができないようです。

先日、分子栄養学界の重鎮藤川先生からこのようなツイートがなされました。

要はEAAだけに偏るとそれに付随していろんなサプリメントの追加が必要になるから、基本はプロテインにしておいてね。というわけです。

しかし、小西先生はこのように返してしまいます。なぜまたサプリメントを足す?まさにEAAにしがみつくスタイル…ドン引きですわ。

なぜ不調=不足という考え方しかできないのでしょう?不調が起こったのなら不調が起こった原因を取り除いた方が手っ取り早いと思うのですが。

分子栄養学(三石理論)と医学(≒疫学)とのダブルスタンダード

EAAをゴリ推ししている界隈は分子栄養学という分野に属するようだ。と書きました。分子栄養学はどんな学問か?ということを理解するために、まずは従来の医学、その中でも疫学というものを説明します。

ほとんどの医学研究とは統計学によるものです。それは疫学と呼ばれます。

疫学とは、「明確に規定された人間集団の中で出現する健康関連のいろいろな事象の頻度と分布およびそれらに影響を与える要因を明らかにして、健康関連の諸問題に対する有効な対策樹立に役立てるための科学」と定義される。

日本疫学会 より

簡単に言うと「10万人のAという食材を摂っている人を対象にした実験では、Aを摂っていない人に比べてBという病気になる確率が低かった」というような研究です。しかし、これはあくまで統計の話で10万人を対象にしたとは言えAが原因だとはっきりと言い切ることはできません。体質的な問題かもしれないし、Aではなく別の食材Cに原因があるかもしれない。疫学とは不確実性が残る学問なのです。

しかし、分子栄養学は体のメカニズムに着目し、そこから普遍的な一般論を導こうとします。疫学が帰納法で分子栄養学が演繹法といったところでしょうか。(センシティブな分野なので、両方の手法に不確実性は内包するということを付け加えておきます)

しかし、どうやらEAAが原因で界隈では思いっきり疫学的な手法が横行しているみたいです。これは分子栄養学的な立場とはまったく矛盾するものだと考えています。

さすがにn=2は無理があるでしょう。空想の理論でなく現場・現物・現実を見ろと言われるかもしれませんが、これではサプリメントの数珠つなぎになりそうです。→実際になっています。ビタミンB6に始まり、ビオチン、鉄と足りないものを補っていくスタイルのようです。さっさとEAAを辞めたら解決するのではないでしょうか?

倫理的に問題がある

これは小西先生の話になりますが、食物の批判、しいては人間の食べるという行為そのものへの批判につながるかなり頭のおかしい発言が多いです。

まずこちら。

プロテインの消化には10時間もかかりません。ホエイプロテインの場合5時間で血中アミノ酸濃度が通常レベルにまで戻ると記憶しています。カゼインプロテインの場合は10時間もあり得るかと思いますが、小西先生が勧めていたのはホエイプロテインのはずです。ここで都合よく故意にカゼインを持ってきているだとしたら性格が悪いにも程があります。

ホエイプロテインは摂取後3時間程度であれば十分に血中アミノ酸濃度が高い状態を保てる。参考: タンパク質の専門家が解説する ”プロテイン” ② 〜ホエイとカゼイン〜 | 東原兄弟の、筋トレで鍛える人生力  より。

また、ツイートによると、腸内残留時間が長くなると窒素残留物が増えるそうです。これは病気の原因になるそうです。だとしたら、食物の否定となり食べるという行為そのものを否定していると感じるのは私だけでしょうか?この人はどうやって生きているのでしょう?

さらに消化をゆっくりするのは消化酵素の無駄遣いといった発言も見られます。ますますこの人がどうやって生きているのか気になりますね。

なんと主食はEAAだそうです。この人は自然界に存在するすべての食物を否定し、さらには食べる喜びも捨てたのでしょうか?主食がEAAで幸せならなによりです。

最後に

この界隈はEAA以外にもいろいろとマズい発言、態度がありました。

医療従事者としてあるまじき態度、にもかかわらずベタベタくっついている信者が本当に気持ちが悪い。その内容は以前こちらの記事に書きました。

勘違いしてほしくないので、再度書きますが、私はEAAをバッシングしているわけではありません。

EAAに対してダブルスタンダードを貫くこのような人をバッシングしているのです。

私はEAAは素晴らしいサプリメントだと思っています。でも、周りを取り囲むこのような変な人たちのせいでEAAの変なマルチ商法的なサプリメントだと勘違いされるのを危惧しています。

このツイートには賛同のいいねを100回くらい押したかったです。

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